当記事では漫画『キングダム』の主人公である信(李信)について魅力を徹底的に考察していきます。信は嬴政と並びキングダムの主役キャラクターで、彼の成長譚が『キングダム』そのものと言っても良いほどです。実写映画版では山崎賢人さんが演じました。そんな信について、「位・性格・武力・武器・未来の信・飛信隊」の6項目に分けて解説していきます。
信の位は?
信の位は、以下のように進捗しています。※単行本57巻発行時点
- 歩兵としてスタート(一兵卒)
- 11巻で百人将に。王騎将軍から特殊百人舞台「飛信隊」の名をもらう
- 17巻で三百人将に。趙との戦いでの活躍が認められる
- 23巻で千人将に。嬴政から正式に功を受けます
- 33巻で3千人将に。合従軍との戦いで敵将・万極を討ち、龐煖に一騎打ちを挑んだ武威を讃えられます
- 38巻で五千人将に。魏火龍七師の1人、霊凰を討った功績が認められる(羌瘣も三千人将に)
というわけで、単行本57巻発売時点では信は五千人将となっています。順調に昇進していますね。しかし、途中の千人将になる過程では「もし将軍級の首を取らなかれば、伍長からやり直し」などの厳しい条件をクリアしての今があります。
副将である羌瘣が三千人将なので、飛信隊は実質8千人隊という事になります。
信の性格
ここからは信について、「性格・武力・武器・未来の信・飛信隊」の5つの要素に分けて解説していきます。まずは性格から。
揺らがぬ信念
信の最大の特徴は、決して揺らぐことのない「天下の大将軍になる」という信念です。
©原泰久/集英社
信の「天下の大将軍になる」という信念は、亡くなってしまった親友の漂との約束でもあります。だからこそ、どんな状況でも彼の信念が揺らぐことは無く、飛信隊の隊員はそんな信の信念に惹かれるのです。
たとえ強大な敵である廉頗や龐煖を前にしても、変わることはありません。
信が目指す天下の大将軍像
信には目指す天下の大将軍像があります。
桓騎軍と飛信隊が揉めた際、信は尾平にこう話しました。
ガキの頃、漂と 戦場で名を馳せる将軍の話でいつも盛り上がってた。
天下の大将軍ってのがどんだけ強ぇのか、どんだけかっこいいのかって 将軍なんて見たこともねぇ下僕のガキ二人が毎晩あのボロ小屋で値落ちすんまで 大将軍はあーだこーだとワーワーやってた。
二人でしゃべってたキラキラした将軍像は、陵辱だの虐殺だの暗い部分には一切触れてなかった。当然だよな。戦場も知らねぇガキ達の想像力なんてそんなもんだ。
でもそこは譲りたくない。
ガキ二人で胸高鳴らせた誰より強くてかっこいい天下の大将軍に…
俺は本気でそういう将軍になりたいと思ってる。
信が絶対に陵辱や虐殺を行わない理由がここにあります。そしてそれを見過ごす事は絶対にしない理由もここにあります。
信は今でも漂と思い描いた天下の大将軍像を目指して走り続けているのです。
愚直で一本気
信は愚直な性格で、心理戦をしかけたり、カマをかけたりするような事はありません。
常に自分の心に正直に生きます。
時には命令違反や規則違反になる行動だとしても、自分が正しいと思った事を迷わず実行するのが信です。
©原泰久/集英社
特に印象的なのは、乱銅という千人将が、奪った城で強奪・陵辱・虐殺をしている光景を見て斬りかかった事でしょう。
軍律では同士討ちは禁止されているために、蒙恬は止めましたが、信は「どんな理由であろうとクソヤロォは絶対許さねぇ!!相手が千人将だろうが将軍だろうが王様だろうが関係ねぇ!それがこれまでもこれからもずっと変わることのねぇ俺の戦り方だ!」と吠え、飛信隊のメンバーはそんな信に雄叫びを上げるのでした。
いつでも先頭に立つ本能型
戦において信は先頭に立って飛信隊を率います。
麃公と同じく”本能型”の将軍として、自身が先頭に立つ事で隊員に勇気を与えるタイプの将です。
「苦しいんなら俺の背を見て戦え!俺の背だけを見て 追いかけて来い!」と飛信隊のメンバーに檄を飛ばす勇姿は読者の心をも打ちました。
軍略はからっきし
武力は素晴らしいものがある一方、信は軍略や知略は、からっきしです。
同期の蒙恬や王賁が知略家でもある事を考えると、かなり信の弱い部分になります。
しかしこの部分については飛信隊軍師の河了貂と、副将のの羌瘣が信をカバーしてくれていますね。河了貂が入るまでの飛信隊は酷い戦術で、実力を全く出せていませんでした。
信の武力
次に信の武力について解説します。
信の対戦表一覧
信の対戦表を作りました。※52巻までのものです。
信△ | 漂△ | 漂の333勝332敗587分けだが、最後の1戦の勝敗は不明 |
信○ | ムタ✕ | 信、かなり苦戦の末、勝利 |
信○ | 左慈✕ | 壁の助太刀が無ければ負けてた可能性も |
信○ | ランカイ✕ | タジフとバジオウの協力を得て信の勝利 |
信○ | 黄離弦✕ | 弓使いである黄離弦を退ける |
信○ | 麻鬼✕ | 瞬殺 |
信△ | 羌瘣△ | 互角に斬り合う |
信○ | 馮忌✕ | 信得意のフライング一刀両断 |
龐煖○ | 信✕ | 龐煖が襲撃。信が殺されそうな所を尾平と尾到に助けられる |
信○ | 魏加✕ | 王騎にダメージ弓を放った魏加を切り伏せる |
信○ | 乱銅✕ | 秦軍のクソ千人将を切り伏せる |
信○ | 輪虎✕ | 楚水が間に入ったものの、一騎打ちで輪虎を討つ |
廉頗○ | 信✕ | 廉頗に吹っ飛ばされる |
信△ | 項翼△ | 小競り合い |
信○ | 馬関✕ | 瞬殺 |
李牧○ | 信✕ | 小競り合いだが信が吹き飛ばされる |
信○ | 万極✕ | 信得意のフライング一刀両断 |
信○ | 傅抵✕ | 信が傅抵を吹っ飛ばす |
信△ | 龐煖△ | 左腕の折れた龐煖と信は引き分け。龐煖の顔に傷を付ける |
信△ | 凱孟△ | 熱戦の末、決着つかず |
信○ | 霊凰✕ | 呉鳳明と間違えて魏火龍の1人である霊凰を討つ |
信△ | 馬呈△ | 飛信隊が馬呈軍に奇襲を受ける。決着つかず。 |
信○ | 慶舎✕ | 熱戦の末、信が慶舎を討つ |
信△ | 堯雲△ | 日が暮れるまで熱戦を続け、決着つかず |
信○ | 岳嬰✕ | 一刀両断。瞬殺。 |
このように対戦表を見ると、信より強い可能性のある武将がわかります。
信より強い可能性のある武将
信より強い可能性のある武将は以下の通りです。
羌瘣、龐煖、廉頗、項翼、李牧、凱孟、馬呈、堯雲
これらの武将は信と互角か、それ以上の戦いを見せています。ここに羌瘣が入っているのが凄いですね。苦笑
『キングダム』が完結する頃には、これら全員を上回る武力をつけていることでしょう。
信の武器
次に信の武器を解説します。
漂から受け継いだ剣
まずは物語序盤に活躍する漂から受け継いだ剣です。信と言えばこの剣のイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
©原泰久/集英社
↑この剣ですね。
この剣はもともと漂が持っていたものです。漂が王宮に呼ばれて嬴政の影武者をした際に渡されたものだと思われます。
身代わりとはいえ、王に渡されている剣ですから、相当の高級品だと思います。
事実、廉頗や龐煖の一撃を受けても、この剣は折れることはありませんでした。
信は王騎将軍の矛を使うようになりますが、そうなった際もこの剣も背中に付けて戦っています。
王騎の矛
そして王騎将軍から受け継いだ矛です。
©原泰久/集英社
王騎将軍が死に際、信に矛を託しました。
巨大で美しい矛は、天下の大将軍にふさわしい迫力があります。
信は受け継いだ当初は矛を使いませんでしたが、趙の鄴に攻め入る際からこの矛を使い始めます。
王騎については以下の記事で詳しく説明しています。
麃公の盾
王騎将軍からは矛を受け継いだ信ですが、麃公将軍からは盾を受け継ぎました。
©原泰久/集英社
↑この時に背負っているのが麃公の盾です。
麃公は侵攻してきた李牧・龐煖を足止めするために自ら戦いを挑んでいき、「咸陽を守ってくれ」という意味を込めて、信に盾を託すのです。
漂の剣、王騎将軍の矛と同様、信にとっては大切な武器の1つです。
麃公については以下の記事で詳しく説明しています。
これからの信
これからの信はどうなるのでしょうか?ここからはネタバレの領域になるので、ネタバレが嫌な方は飛ばしてお読みください。
李信将軍
信は後に李信という名前の将軍となります。
李信は将軍として、楚を討つべく20万の兵を率いたと史実にあります。
紀元前225年、政は、楚を征服したいと思い、対楚戦にどれだけの部隊が必要かを諮問した。李信は、「20万」が必要だと語った。一方で王翦は、「60万」が必要だと語った。政は、王翦が耄碌(もうろく)したものと捉え、李信の案を採用して侵攻を命じた。
wikipediaより
この戦では蒙恬と協力して楚への侵攻を行ったようですね。趙への侵攻時点ではまだ五千人将だったので、楚への侵攻までに信は王翦と肩を並べる大将軍になっているのでしょう。しかし20万は凄いですね。
この時、蒙恬を李信と共に任命したのは、若い李信が命令をしやすかったからではないかと言われていますね。しかし、この楚との争いで項燕に敗れてしまいます。
しかし李信は楚への侵攻の後、燕や斉を滅ぼし、中華統一を果たす上で欠かせない仕事をします。
キングダムでどこまで描かれるのかは分かりませんが、おそらく信が斉を滅ぼすあたりで物語が終わるのではないでしょうか。
飛信隊のメンバー
最後に、飛信隊のメンバーを紹介して終わります。
羌瘣
飛信隊の副長で三千人将。
巫舞という舞うように相手を斬る剣術を使う。超絶強いが、息を止めて巫舞を使うため長期戦は得意ではない。斬る時の音は「トーンタンタン…」。
性別は女性。
河了貂
飛信隊の軍師。性別は女性。
信とは王都奪還の時からの仲で、一時は同居していた。
昌平君の軍師学校出身。武力は殆ど無いが、軍略に長ける。河了貂が来るまで飛信隊の戦術はめちゃくちゃだった。
実写映画では橋本環奈さんが演じる。
渕
飛信隊副長。優しくて穏やかな性格。
飛信隊への思いや信への忠誠は人一倍強く、飛信隊の初期メンバーの1人。
もともとは信の世話役だった。
楚水
飛信隊副長。元郭備隊副官。
真面目で冷静な性格。輪虎に郭備を討たれてしまった事をきっかけに、「元郭備隊」の一団と共に飛信隊に加入。
年下でキャリアも無い信に対してもリスペクトを欠かさず、元郭備隊を飛信隊にすんなり溶け込ませた。
岳雷
元麃公軍。千人将。
蓄えたヒゲと体躯の良い肉体、顔についた無数の傷が特徴的。
麃公兵は多くが麃公の領土に戻ったが、岳雷の隊は飛信隊に加入した。麃公に気に入られてた信を気に入っていない(妬んでいる)麃公兵は多いが、岳雷はそうではない。
あまり多くは語らない男。
田有
飛信隊の古参メンバー。千人将。
どでかい矛を使っている巨体の兵士。
物語序盤では、その腕っぷしの強さから、多くの伍から引く手あまただった。
モデルは原先生のサラリーマン時代の同僚の有田さん。
那貴
千人将。元桓騎軍の幹部。
優しい顔をしてるが、腕っぷしは強く、頭も冴える。
元々は桓騎軍特有の一時的な隊の入れ替えで、尾平と交換で飛信隊に入り、飛信隊を見守っていた。
桓騎の下を離れる際「飛信隊で食う飯ってうまいんスよね、意外と」と桓騎に言った。怒るとめちゃ怖い。
竜川
百人将。
田有を上回る、飛信隊一番の巨体。巨体を活かして飛信隊の攻撃や守備の要となっている。
けっこう優しい顔をしている。
沛浪
百人将。
飛信隊の古参メンバー。逆だった白い髪、顔についた傷が特徴。
戦場での大きな活躍は描かれない。
崇原
歩兵長。
初登場時は眼帯をしていなかったが、現在は左目に眼帯をしている。剣術に秀でている。
「俺が百人いて同時に斬りかかっても信には勝てない」と言うほど信の武力をリスペクトしている。
松左
百人将で副歩兵長。
面倒見が良く、性格も穏やかで肩の力が抜けている。長めの髪の毛にくっきり二重が特徴的。
時には信をなだめたりする、大人な男。
我呂
元麃公兵。
茶色の髪の毛に釣り上がった目が特徴的。
いつも信に食って掛かったり難癖をつけるのはだいたい我呂。でも悪いやつではない。
誰にも敬語を使わない。
尾平
飛信隊古参メンバー。
出っ歯でお調子者。飛信隊のムードメーカー。飲み会で一番活躍するタイプ。
弟の尾到を戦で亡くした。武力は無いが勇気はある。
あの龐煖と信の一対一にも突っ込んでいって信を助けた。
尾到
尾平の弟。
体がたくましく、優しい性格。
馬陽の戦いで信を逃がすために最後まで戦い、戦死。最後まで信に大将軍への思いを託した。
澤圭
初陣で信と羌瘣の入った伍の伍長。
信に伍としての戦い方を教える。澤さんの伍では過去に1人も死んだことがない。
とても優しい性格。
蒼仁
飛信隊の新加入メンバー。弓の使い手。
ツリ目に八重歯が印象的。
父は蒼源という中華十弓の1人で、元麃公軍。
河了貂が大興奮するほど、めちゃくちゃ弓が上手い。
初陣では初めて人を射って、手の震えが止まらなかった。
蒼淡
蒼仁の弟で飛信隊の新加入メンバー。同じく弓の使い手。
蒼仁より頭2つ分体が大きいが、気が弱い。
弓の実力は蒼仁と遜色ない。
干斗
飛信隊の新加入メンバー。
尾平的な空気を持つ新人。
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